よく言われるのは「知らない単語は文脈から推測しろ」ということです。ある程度の長さのある文章は文脈があるので、しっかりと文章の内容が理解できていれば、前後の内容から未知の単語でも意味を推測することができます。
しかし、この「知らない単語は文脈から推測しろ」という言葉が本当に意味するところを理解しなくてはいけません。それは、「どうしても意味がわからなければまずいような単語の意味は推測しろ」ということです。つまり、知らない単語をすべて推測する必要はないということです。
入試というのは、極端な話、文章内容の理解にかかわらず、設問に正解しさえすればいいのです。そして、いくら意味を推測しても、設問を解くのに全く関係のない単語であれば、その時間と労力は無駄になります。
私が常日頃、生徒の皆さんに言っているのは「知らない単語はできるだけ無視しましょう」ということです。単語だけでなく、意味のわからない文でも同じことです。「この一文の意味がわからないな…」と言って先に進めずに時間をロスしてしまうくらいなら、無視すればいいのです。
1つの英文を読むときに、すべての文の意味を理解しなくてはいけないわけではありませんよね。国語の現代文などの日本語文で考えればよくわかると思います。いくつかの文の意味がわからなくても、全体として筆者が言おうとしている内容がわかればOKなのです。特に、内容一致の設問がメインの長文問題は、細かい部分よりも全体的な内容の理解を優先させるべきです。
未知の単語の意味を推測する価値のあるケースは、例えば和訳問題の下線部に知らない単語が入っている場合です。和訳問題というのは、各語の意味もある程度正確に訳さなければならないため、無視するわけにはいきません。また、内容一致問題でも、その一語の意味によって答えが変わってくるような場合は、意味を推測しなくてはいけません。
要するに、わからない単語なら何でも推測しようとするのではなく、設問を解くのに必要な単語、つまり点数に結びつく単語のみを推測して、あとは無視するということです。
普段から長文問題に時間がかかりすぎてしまったり、意味がわからない部分があると途中で文章全体の論点を見失ってしまうという人は、一度次のような読み方を試してみてください。
@ 長文を読んでいてわからない単語、わからない文にマーカーを引く。
A マーカー部分は初めから空白だったと仮定して、わかっている部分だけをもう一度読む。
B 設問を解いてみる。
自分が理解できる部分のみを読むだけでも、意外と文章全体の内容が理解できたりします。また、理解できないような難しい部分を無視することで、文全体の意味がかえってよくわかることさえあるでしょう。そして、意外と設問も解けるのではないでしょうか。
もちろん、このやり方では、すべて設問を解くことはなかなかできないと思います。しかし、入試ではすべての文を理解することが目的ではありません。いくら考えても理解できない部分はあきらめて、理解できる部分を最大限に生かしましょう。「無視する」ということには抵抗があるかもしれませんが、練習することで慣れます。そして、最も重要な「必要な部分と不要な部分を判断する力」も徐々に身に付くでしょう。
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